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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

変形性膝関節症のリスクファクター②筋力低下

変形生膝関節症(膝OA)の発生要因のひとつとして
「筋力低下」があります。

筋力低下に関して個別の筋としては、

1)大腿四頭筋(太ももの前)
大腿四頭筋の筋力低下は膝OAと関連している(Madsen-1995、Wesse-1996、Slemenda-1998)

大腿四頭筋の中でも

2)内側広筋(内側)
・最大等尺性収縮時の内側広筋の筋活動が低下(宮口-2008)
・内側広筋優位の筋活動量の低下(平中-1995)

また、その他では、
3)股外転筋群 → 筋力が小さいものは膝OAの進行が早い
4)股内転筋群
5)ハムストリングス
などの筋力低下も報告されています。

さらに、膝OAにより
・疼痛や可動域制限による廃用性萎縮
・内反変形などによる力学的バランスの影響
・反射抑制システム(reflex inhibition)(Spencer-1984、Hurley-1993)
などによりさらに筋力が発揮できない状態が生じます。

筋力低下 → 膝OA → 筋力低下 ・・・

筋力低下も膝OAの一つの要因になると考えられます。