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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.シンスプリント メカニズム

シンスプリントのメカニズムとしては、牽引型と収縮型に分類できるかもしれません。

1)牽引型
・足の内返し、足底屈筋群、特にヒラメ筋の牽引力の過剰が主因(横江-2008)。
・ヒラメ筋内側線維は、内返し作用が強く、外返しで強い牽引力が加わる(横江-2008)。

牽引が加わる要因としては、背屈制限や距骨下関節回内などが考えられますが、

距骨下関節回内とシンスプリントの関係に関しては、
・過回内での発生頻度が高い(Michael-1985、Yates-2003)。
・ランニング時に距骨下関節の回内の動きが大きい(Viitasalo-1983)。
これに対して
・navicular drop(回内足の指標)とシンスプリントの発生頻度に相関はない(Plisky-2007)

先日の研究会では、回内足との関係は否定的、股関節の可動域低下や動作の未熟さを示唆。

2)収縮型
・下腿の内反や外方傾斜などに起因する、下腿内側の圧縮ストレス(園部-2008)。
・爪先立ちでヒラメ筋に力を入れると痛みが生じる(Michael-1985)。
・後脛骨筋やヒラメ筋などの内反筋の過剰収縮(Slocum-1967、Subotnik-1976)。

このメカニズムとしては、
・立脚中期から推進期にかけての体重移動の遅れによる外方移動に対して、内反筋の過剰収縮が生じるため(園部-2008)としています。

研究会では、足趾を咬むような運動パターンにより、長趾屈筋の過収縮が生じ後脛骨筋との間に滑走不全や圧縮刺激が生じると報告されていました。