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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.シンスプリント 評価と理学療法

前回のブログでは、シンスプリントを牽引型と収縮型に分類してみましたが、第4回スポーツリハビリテーションワークショップでの、八木先生の話と絡めて見ると
http://ameblo.jp/kisamaimomo/entry-10670583108.html

1)牽引型
・片脚ジャンプの着地時に痛みが生じて、MRIでは骨に炎症性の所見があり治療に時間のかかるタイプ。

<評価ポイント>
・距骨下関節回内、足背屈、股関節屈曲、内旋。
・歩行、スクワット、ジャンプ動作などでのストレス様式。

理学療法
・内側楔状足底挿板、足背屈制限の改善(横江-2008)。
・股関節柔軟性改善や諸動作の改善。


2)収縮型
・片脚ジャンプの踏み切り時に痛みが生じて、MRIでは筋や骨膜の炎症性の所見があり治療経過は良好なタイプ。

<評価ポイント>
・長趾屈筋、後脛骨筋タイトネス。
・歩行、スクワット、ジャンプ動作などでの足趾の使い方。
・歩行:立脚中期から推進期にかけての体重の外方移動が生じる(園部-2008)。

理学療法
①足底板(園部-2008)
・第1列の底屈誘導:立脚中期以降の下腿を前方および内旋に誘導。
・横アーチ(後足部と楔状骨レベル)を高くし立脚中期までの体重の前方移動を早め、ヒールライズを早期に起こさせる。

②筋促通(園部-2008)
大腿四頭筋:立脚中期から膝の屈曲モーメントを小さくし、下腿前方移動を促す。
・下腿三頭筋:推進期でのヒールライズを早め、膝屈曲と下腿前方移動を促し下腿の外方傾斜を減じる。
・腓骨筋:身体重心の内方移動を促し、後脛骨筋の過剰収縮を抑制。

③長趾屈筋-後脛骨筋の滑走改善
・長趾屈筋のリリース。
・後脛骨筋の単独収縮。

④足趾を過剰に屈曲しない動作の習得


問題点を認識しない状態で理学療法だけなぞっても効果は低いので、評価が大切ですね。