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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.上腕骨外側上顆炎

【上腕骨外側上顆炎】

・上腕骨外側上顆に付着する手関節伸筋腱(長・短橈側手根伸筋、総指伸筋)の退行変性。
・40歳以降にみられ、脆弱した腱付着部に無理な運動負荷が加わるために微細損傷や断裂を生じる。

<神経絞扼障害>
・3ヶ月以上続く肘外側部の疼痛がある場合は、橈骨神経深枝の絞扼性障害(radial tunnel syndrome)である後骨間神経障害も考慮。
・外側上顆炎と橈骨神経障害は5%の割合で共存(Werner-1979)。

・橈骨神経では、手伸展-回外の収縮時痛、肘伸展-手掌屈の伸張時痛(2008-Calfee)。
・後骨間神経では、回外筋収縮時痛、第1-2指伸展障害(2008-Calfee)。

<疫学:リスク>
・喫煙-肥満に関連あり(Shri-2006)。
・35歳以上で3回以上/W、30分以上/1回の過度な活動(Nirshl-2003)。

<テニス歴>
・テニスやゴルフ経験者は5%:(339人中:外側型317人、平均42歳)(Coonrad-1973)。
・テニス経験者13-14% > 未経験者0.5-2.8%。
・年齢42-52歳。


引用・参考
・鈴木克彦:上腕骨外側上顆炎に対する徒手運動療法、PTジャーナル38、2004.
・林英俊:上腕骨内側・外側上顆炎の病態と整形外科的治療、理学療法25(1)、2008.
・堀泰輔:テニス肘-疫学・病態・診断・評価-、5thSPTS、2009.
・坂田淳:私の肘関節疾患に対する治療-テニス肘、5thSPTS、2009.