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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

胸鎖乳突筋

【胸鎖乳突筋:sternocleidomastoideus】

胸鎖乳突筋は、頚部の前方に位置し、
胸骨柄、鎖骨内側1/3より起始し、側頭骨の乳様突起に付着する。

頸椎の中では比較的大きな筋であり、
頸椎の矢状面、前額面、水平面のいずれの運動に関与することから、頸椎のアライメントに与える影響は大きい。

矢状面での走行は、頸椎を前下方から後上方に走り環椎後頭関節と環軸関節の後方を通る。
このため、頸椎では下位では屈曲、上位では伸展に作用する。
この屈曲-伸展の作用は姿勢による頚部の位置により変化するが、
おおむね C2-3レベルである。

上位頸椎が伸展し顎が出ている場合は短縮位、
straight neckでは胸鎖乳突筋は伸張位が考えられる。
いずれの場合も筋の緊張は高くなっている可能性が高いので注意が必要。

胸鎖乳突筋の深部では、上位では後頭下筋群、下位では斜角筋があり、これらの筋緊張の影響を受ける。
 
背臥位からの起き上がり時には重力に抗して働くため、
弱化があると下位頸椎が伸展する。

頚部痛や腰部痛のある方は、
側臥位を経由せずにまっすぐ起き上がってくる人も多く、
日常の何気ない動作でダメージを受けていることがある。