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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

OI1-005 ACL損傷ラットモデルにおける二次元動作解析を用いた・・・

OI1-005
「膝前十字靭帯損傷ラットモデルにおける二次元動作解析を用いた変形性膝関節症発症シュミレーションシステムの構築」橋本幸次郎
第46回日本理学療法学術大会 2011年

ラットでの研究。
ACL切離手術をした右後肢は歩行における総角度変動域は、
Hip22.2%減少、knee14.1%増加、ankle27.3%増加。
右後肢はdouble knee actionが消失し、足関節の代償が強く、
立脚期の膝関節トルクはコントロール群に比べて42.8%増加。

擬似手術をした左後肢での歩行における総角度変動域は、
Hip20.2%減少、ankle12.3%増加の有意な変化が見られた。
さらに、立脚期が54.2%増加した。

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人でも足底接地や足底接地から踵離地にかけて
膝屈曲が増大する傾向があり、
大腿四頭筋の機能低下が推測される。

右後肢の立脚期膝関節トルクの増加、左後肢の立脚期の増加は、
経年的にはOA変化のリクスを高めるかもしれない。

ACL損傷におけるOA変化の進行は軽度で、
半月板損傷が加わるとOA変化は著しく進行するとの報告もある。

足関節の代償をどの程度許容するか?
足関節で代償がうまくいかない場合は、
より膝へのストレスが大きくなることも考えられる。