PI1-276「加齢による脊柱アライメント変化の検討」
PI1-276「加齢による脊柱アライメント変化の検討」佐藤 成登志
第46回日本理学療法学術大会 2011年
<結果>
1)胸椎後彎角
・年齢との有意な相関が認められなかった。
・成人群44.1°、高齢者群43.2°で有意な差はなかった。
2)腰椎前彎角
・年齢との有意な相関あり。
・成人群-27.8°、高齢者群-1.4°有意に高齢者群の方が小さいp<0.01)。
3)仙骨傾斜角
・年齢との有意な相関あり。
・成人群15.0°、高齢者群0°で有意に高齢者群の方が小さい(p<0.01)。
4)脊柱傾斜角
・年齢との有意な相関あり。
・成人群0.3°、高齢者群10.2°で有意に高齢者群の方が大きい(p<0.01)。
<腰椎前彎の減少についての報告>
1)胸椎後彎の増加
・加齢に伴う背部筋の低下により胸椎後彎が強くなり、腰椎の生理学的前彎が減少する。
・一方、胸椎後彎角と腰椎前彎角および仙骨傾斜角に相関はないとの報告あり。
2)仙骨傾斜角の減少
・骨盤や股関節周囲筋の機能不全により、骨盤が後傾し仙骨傾斜角が減少することに伴い腰椎前彎が減少するという仮説もある。
・仙骨傾斜角と腰椎前彎角とは相関があるとの報告あり。
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60歳代くらいから脊柱のアライメントが変化しやすく、その要因として胸椎後彎の増強よりも、腰椎前彎の減少や骨盤後傾の増加が大きいようです。
じゃあ腰椎前彎や骨盤前傾を出せばいいのかというと、高齢者の場合は脊柱管狭窄などもあり一概にいえないところがあります。
立位では、足、膝、股関節の影響も考えられるし、矢状面や水平面の影響もあるだろうし、関係性をクリアに見つけ出すのは本当に難しいですね。