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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

PI1-281「肩腱板修復術後患者の棘上筋テスト時における僧帽筋の筋活動について」

PI1-281「肩腱板修復術後患者の棘上筋テスト時における僧帽筋の筋活動について」田島 泰裕
第46回日本理学療法学術大会 2011年

【方法】
・肩腱板修復術を施行された13例13肩。
・棘上筋テスト陰性(良好群) 6 肩、陽性(不良群) 7 肩に分類。
・肩関節外転 30°位保持、棘上筋テスト時(肩関節外転90°)の僧帽筋各線維の筋活動を測定。

【結果】
<性別、手術時平均年齢、罹患側、肩甲骨アライメント、疼痛>
・良好群と不良群の2群間に有意差なし。

<断裂サイズ>
・良好群 2.3cm < 不良群 3.6cm(有意に大きい)

僧帽筋各線維の% iEMG>
・外転 30° 位 :2群間に有意差なし。
・棘上筋テスト :僧帽筋中部・下部線維は、良好群に比べて不良群で有意に低下。

< Th7から下角までの距離-Th2 から内上角までの距離>
・外転 30°位:良好群 3.1cm ・ 不良群 3.6cm (有意差なし)
・棘上筋テスト:良好群 3.8cm ・ 不良群 4.6cm (有意差なし)

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・肩腱板修復術後の棘下筋テスト不良群の特徴として、断裂サイズの大きさと僧帽筋中部-下部線維の筋機能低下が関与するようです。

僧帽筋下部>
・外転時に肩甲棘内側縁を内下方に引き、上方回旋時の安定性をもたらす(Johnson-1994)。

・肩甲骨面上110-130°で筋出力が最大(Gowan-1987)。

プロ野球投手の投球側は、非投球側と比較し非常に発達している(Donatelli-2000)。

・小胸筋の短縮は、僧帽筋下部を延長させる(Tomas-2009)。