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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

PI1-318「Point Cluster法によるPCL損傷膝の運動解析」

PI1-318「Point Cluster法によるPCL損傷膝の運動解析-歩行動作における健常者との比較-」折田 直哉
第46回日本理学療法学術大会 2011年

対象:片側PCL単独損傷者6名、 健常者 6 名 。


1)全ての測定膝

・踵接地から荷重応答期 → 膝関節の屈曲、内旋および脛骨の後方移動を示した。

・立脚期 → 脛骨は緩やかに後方移動した。



2)PCL 損傷膝

・健常膝に比べ、歩行周期を通して、膝関節屈曲角度の減少および外旋偏位傾向が認められ、脛骨最大前後移動量が有意に減少した(p=0.02)。

・立脚期 → 脛骨後方移動が減少する傾向が認められ、 膝関節最大屈曲角度、内反 - 外反角度最大変化量が有意に減少した。

・遊脚終期 → 脛骨後方移動の減少傾向が認められた。



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PCL損傷膝の方が脛骨最大前後移動量が大きいと思いきや、少ないんですね。

ぐらぐらしてしまっているのかと思っていたのですが、膝屈曲や内外反も健常者に比べて小さく、PCL損傷による不安定さを過剰にスタビライズさせているようです。

動きは制限されるけれど、関節を守るためには妥当な戦略なんでしょうね。