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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.PI1-374「運動が呼吸筋力に及ぼす影響についての検討:握力を対照にして」

PI1-374「運動が呼吸筋力に及ぼす影響についての検討:握力を対照にして」
平野 正広
第46回日本理学療法学術大会 2011年

<対象>
・健常成人 61 名(男性 38 名、女性 23 名)。
・運動継続群:持久力系運動継続者 17 名
・運動未継続群:過去の運動歴に関係なく運動未継続者 44 名

<結果:運動継続群/運動未継続群>
1)最大吸気筋力MIPS(FRC)- 73.5 ± 39.2/ - 54.3 ± 31.0
2)最大吸気筋力MIPS(RV)- 85.2 ± 42.0/ - 72.7 ± 36.6
3) 最 大 呼 気 筋 力 MEPS(FRC)65.7 ± 37.7/ 50.3 ± 31.9
4) 最 大 呼 気 筋 力 MEPS(TLC) 83.1 ± 42.7/ 64.4 ± 37.3
5)利き手握力 40.7 ± 10.5kg/ 38.6 ± 10.6
6)非利き手握力 37.9 ± 10.4/ 36.0 ± 9.8

・運動継続群の吸気筋力が大きかった。
・運動継続群の握力が大きかった。
・呼吸筋力は運動継続・未継続群の両群で握力と相関が認められなかった(r < 0.5)。


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持久力系運動継続者は呼吸筋力や握力が、非継続者よりは大きい傾向があるようです。
しかし、呼吸筋力と握力には相関がないようです。

握力は、全身の筋力のバロメーターと言われており、中高年の生命予後を予測するとの報告もあります。

握力を付ければ寿命が伸びるということではなく、寿命が長い人は筋力があり握力も強いということなので、握力だけ鍛えてもダメです。