OF1-024「歩行時に生じる膝前十字靱帯負荷の推定」
OF1-024「歩行時に生じる膝前十字靱帯負荷の推定」徳永 由太
第46回日本理学療法学術大会 2011年
<対象>
・健常成人女性 10 名(年齢 20.9 ± 0.3 歳)
<大腿四頭筋の筋張力/脛骨前方引き出し力>
・立脚初期:736.4N/166.9N
・立脚後期:326.2N/73.3N
<ハムストリングスの筋張力/脛骨後方引き出 し力>
・立脚初期:214.0N/49.9N
・遊脚期後期: / 99.4N
<推定された ACL 負荷>
・立脚初期( 最大):99.2N
・再建靱帯の破断荷重は 720 ~ 886N であ ることが報告されており、本研究の結果から矢状面の力学的関与は再建靱帯に対して再断裂を引き起こすほどの負荷を与え ないことが示唆された。
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健常人の歩行ではACLに最大約100Nの負荷が生じるというのは、切りが良くてイメージが付きやすいです。
そして、ハムストリングスに対して、大腿四頭筋は約3-4倍の筋張力や脛骨への作用があるようです。
ACL損傷に伴い、大腿四頭筋の機能低下が生じ、ハムストリングスの緊張が高まり、脛骨の前方引き出しを制御するような反応が生じますが、人間の身体ってうまく出来ていますね。
<正常ACLの破断強度>
・1725N(1984-Noyes)。
・男性1818±699N、女性1266±527N
(2005-Chandrashekar)。
・22-35歳2160N、40-50歳1503N、60-97歳658N。