.骨盤底筋群1)
【骨盤底筋群:Pelvic Floor】
骨盤底筋群は、その名の通り骨盤の底にある筋群で浅層と深層に分かれる。
1)浅層
・球海綿体筋、坐骨海綿体筋、浅会陰横筋、外肛門括約筋、内尿道括約筋、深会陰横筋。
2)深層
・肛門挙筋(恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋、坐骨尾骨筋)、尾骨筋。
<作用・機能>
1)骨盤帯の安定
2)仙腸関節の安定
3)仙骨の後傾
4)呼吸:吸気-呼気のどちらの相でも持続的に収縮
5)上肢の運動に伴う体幹の動的安定性
6)骨盤内臓器の支持
7)排泄のコントロールなど
<機能不全になる要因>
・妊娠・出産、肥満、排便時の怒責、骨盤内臓器の術後、不良姿勢、腰痛、加齢など。
<過緊張>
・腹圧上昇を伴う力み動作などを繰り返している場合。
→仙骨の過剰な後傾が生じ仙腸関節痛の原因になる。
→仙腸関節のCPPを解除し不安定にする可能性。
<機能改善には>
・腹横筋の収縮促通により、骨盤底筋群を有効に収縮できる。
・随意収縮の可否よりも、筋緊張のコントロールが必要。
<参考文献>
・宇佐英幸:MRによる背臥位での一側および両側股関節屈曲運動の解析、理学療法学37(1)、2010.
・田舎中真由美:腹圧性尿失禁の理学療法とコアスタビリティトレーニング、理学療法 2009年10月号、2009
・斉藤昭彦訳:腰痛に対するモーターコントロールアプローチ―腰椎骨盤の安定性のための運動療法、2008
・吉住浩平:骨盤複合体の病態運動学と理学療法、理学療法 2008年10月号、2008.
・石井美和子:骨盤複合体の運動学、理学療法 2008年9月号、2008.
・樋野真紀子:脊柱の運動学、理学療法 Vol.25 No.3 2008年 3 月号、2008.