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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.仙骨後傾3)

仙骨後傾に対する靭帯の関与

仙骨後傾を制限する靭帯は、長背側仙腸靭帯といわれています。

内側では脊柱起立筋の腱膜に付着し、深部では多裂筋との連結があるため、脊柱起立筋や多裂筋の収縮は長背側仙腸靭帯を補強します。また、広背筋と大殿筋の収縮は緊張を減少させます(1996-Vleming、1997-Snijders・ Willard)。

仙骨が後傾している場合、長背側仙腸靭帯が緊張していて制限している場合と機能低下している場合が考えられます。

緊張していて制限が強いのに仙骨が後傾してしまい痛みが出るような場合には、広背筋や大殿筋の収縮をいれたり、脊柱起立筋や多裂筋の緊張をとることが有効かもしれません。

長背側仙腸靭帯の機能が低下していて仙骨後傾が過剰になっている場合は、脊柱起立筋や多裂筋の収縮を入れ、広背筋や大殿筋の緊張をとることが有効かもしれません。

緊張しているのか、機能低下しているのかの判断は難しいところですが、広背筋、大殿筋、脊柱起立筋、多裂筋の収縮を入れてみたりして痛みが出るのか出ないのかというところが、参考になるかもしれません。

でも、広背筋や大殿筋を収縮させれば、脊柱起立筋の緊張もあがりそうなので分離するのは難しそうです。

少し机上の理論になってきましたが、懲りずにもう少し続けます。