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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.「二関節筋と運動制御」

昨日は、「二関節筋と運動制御:熊本水頼 京都大学 名誉教授」に行ってきました。

「肘、膝、股関節にモーターはない。二関節筋がある」

二関節筋は、シーラカンスやハイギョなどの肉鰭類(にくきるい)などから発生したと考えられ、身体を軽く支えたり、エラを折りたたむようなとこから進化したと考えられている。

基本的には二次元の屈伸運動面を外れることない位置に拮抗して存在する。

移動に使われるようになると、方向制御や接地時のズレの解消に働く。これらは、フィードバック機構より早く働き、構造的な影響も大きいと考えられる。

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これらの二関節筋の特徴から考えると、肩や股関節の屈伸最終域や回旋、内外転などの運動に関しては、本来使われるものではなさそうなので、スポーツ動作などで上腕二頭筋長頭腱炎や有痛性ベネット骨棘などが生じるのはある程度仕方のないことなのしれません。

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筋の出力分布の研究結果からは、高齢による下肢の筋力低下は膝伸展筋の単関節筋(内側広筋や外側広筋、中間広筋)の影響が大きい。

では、筋力低下の予防として歩くのはどうかというと・・・
歩行では、筋力の最大出力の約23%しか発揮しないので、歩行だけしていても下肢の筋力は低下する。(何千回も行う歩行に多くの筋出力が必要だと効率が悪い)

膝伸展筋の単関節筋を効果的にエクササイズするには、スロースクワットや自転車がいいようです。

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この、熊本先生、大正生まれということでびっくりしました。
赤シャツでダンディで、バイタリティに溢れています。
見習いたいと思いました。