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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

成長期サッカー選手におけるしゃがみ込み動作について

OI2-034 「成長期サッカー選手におけるしゃがみ込み動作について-疼痛の有無による骨盤運動の違いに着目して-」菰渕 真紀 第46回日本理学療法学術大会 2011年


<対象>
・中学 1 年生から中学 3 年生までのジュニアサッカーチームに所属する男子 34 名(平均年齢 13.4 ± 1.0 歳)
・疼痛群 17 名:過去 1 年間に大腿から膝関節前面にかけて疼痛の既往が有る者
・非疼痛群17名 :過去 1 年間に大腿から膝関節前面にかけて疼痛の既往が無い者

<課題動作>
・自然立位からのしゃがみ込みを連続 3 回実施。

<骨盤傾斜角度の比較>
1)膝関節屈曲 30°
・疼痛群が有意に後傾位(p<0.05)

<骨盤傾斜角度の変化量の比較>
2)膝関節屈曲 0° から 30°
・疼痛群:有意に前傾が少ない(p<0.05)。
3)膝関節屈曲 30° から 60°
・疼痛群:有意に前傾が増加(p<0.05)。


<腰椎角度の変化量の比較>
4)膝関節屈曲 0° から 30°
・疼痛群:有意に屈曲角度が増加(p<0.05)。

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膝関節前面に痛みの既往のある場合は、やはり骨盤後傾傾向があるようです。

オスグットなどの成長期の膝前面痛では、骨盤後傾位による身体重心の後方化に対して、大腿四頭筋が遠心性に過剰に働くため痛みが生じることが多いようです。

動作時の骨盤後傾位の要因としては、足関節背屈や股関節屈曲制限、股関節屈曲や体幹機能不全などが考えられるかもしれません。