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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.人工股関節置換術後患者のCKCにおける筋力トレーニングの筋電図学的検討

OI2-040「人工股関節置換術後患者のClosed kinetic chainにおける筋力トレーニングの筋電図学的検討」 吉岡 佑二:第46回日本理学療法学術大会、2011年

<対象>
・初回、人工股関節置換術(THA)を施行され術後4週が経過した16 名。
・男性3名、女性13名、年齢56.1、BMI22.0

<測定課題>
・術側を支持脚とした前方への昇段動作、側方への昇段動作 、片脚立位、快適速度での歩行。

<大腿直筋の%MVC
1)前方への昇段動作:46.8% 3)4)に対して有意に高値
2)側方への昇段動作:59.4% 1)3)4)に対して有意に高値
3)片脚立位    :25.0%
4)歩行      :30.7%

<中殿筋の% MVC
1)前方への昇段動作:40.6%
2)側方への昇段動作:55.1% 1)に対して有意に高値
3)片脚立位    :60.7% 1)4)に対して有意に高値
4)歩行      :48.5%

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中殿筋を効率よくエクササイズするには、片脚立位でよさそうです。

中殿筋は、歩行での股関節の安定性保持と骨盤の安定性に寄与(1989-Gottschalk)していますが、変形性股関節症の進展に伴い短縮、萎縮が生じています。

立脚時間を100%とした場合、筋活動のピークは健常者では0~20%、OAでは20~40%で生じた(2008-加藤)。

というように筋活動が遅延しているという報告もあり、筋力低下のみならず、タイミングなども最学習していく必要があるかもしれません。

大腿直筋が、側方への昇段動作で最も高値をなのも面白い所です。

そして、ここでもBMIは22。
変形性股関節の方はスマートな方が多いが、何か関係があるのだろうか?