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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

「人工炭酸泉浴による損傷骨格筋の再生促進効果についての検討」

PI2-036「人工炭酸泉浴による損傷骨格筋の再生促進効果についての検討」 野中 紘士:第46回日本理学療法学術大会、2011年

<対象>
・Wistar系雌ラット(12-14週齢)16匹。

<分類>
・非損傷群(NI、n=4)
・損傷コントロール群(IC、n=4)
・損傷温浴群(FW、n=4)
・損傷炭酸泉群(CO2、n=4) に分けた。

<方法>
・筋損傷誘発の1日後から、FW群、CO2群のラットに37°Cで30分間実施。
温浴負荷は1日1回、週5日実施。

<結果:筋核数>
・NI群、CO2群に比べ、IC群、FW群で有意に高値 (P< 0.01)。
→ 人工炭酸泉浴により筋芽細胞の融合が促進していると考えられる。

<結果:筋横断面積>
・NI 群に比べ IC 群、FW 群、CO2 群で有意に低値(P< 0.01)。
・CO2群はIC群に比べ、有意に高値(P< 0.05)。
→人工炭酸泉浴により再生筋線維の成長が促されている可能性があると考えられる。

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人工炭酸泉浴が損傷骨格筋の再生を促進する可能性を示唆しているとのことです。

人工炭酸泉浴は経皮的に二酸化炭素を吸収し、血管拡張を誘発し、血流の増加、組織酸素分圧の上昇を起こし、経皮的な二酸化炭素の吸収は創傷の治癒を促進する報告もあるようです。

スーパー銭湯にもあるやつですね。急性期にアイシングでなく、温熱を選択する根拠の一つとなりそうです。

今日から3日間、神戸で第47回日本理学療法学術大会が開催されます。
参加できませんが、発表内容を読ませていただくのが楽しみです。