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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.「野球肩11項目テストにおけるelbow push test時の筋活動」

PI2-207「野球肩11項目テストにおけるelbow push test時の筋活動」伊藤 平和:第46回日本理学療法学術大会、2011年

<対象>
・健常男性5名(平均年齢は25歳)の両側上肢(10肢)。

<方法: elbow push test>
・被検者は両足底を浮かした端坐位で、肘関節90°屈曲位、肩関節90° 屈曲位、90°内旋位。
・検者は肘頭部に抵抗を加え、等尺性運動を5秒間保持し、それを 3 回施行。

<被験筋>
三角筋前部・中部・後部、棘下筋、大胸筋(胸肋部)、僧帽筋上部・中部・下部、前鋸筋、広背筋、腹直筋、外腹斜筋。

<% MVCの高かった筋>
・前鋸筋:66.3±26.2%
・外腹斜筋(測定側):43.3±23.1%
・棘下筋:40.3±23.8%
※前鋸筋は測定側の外腹斜筋、棘下筋を除く全ての筋と比較して有意に高い値を示した。

相関係数
・前鋸筋/棘下筋:0.54(相関あり)
・棘下筋/外腹斜筋(測定側):0.37
・前鋸筋/外腹斜筋(測定側):-0.08

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elbow push test、前回のブログにも出てきた8)のテストです。

やはり前鋸筋の筋活動が高く出るようです。

前鋸筋と外腹斜筋は筋束が楔状に連結しているので相関係数が高くなると思われたのですが、相関はありませんでした。

運動方向や両足底が浮いていることが影響しているのかもしれません。

前鋸筋と外腹斜筋の連結は、下肢からの力を体幹-肩甲骨-上肢に効率よく伝えるために重要だと考えられます。

足底接地した時には、どにようになるのかも興味ある所です。