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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

前鋸筋

【前鋸筋】

主な働きは、肩甲骨の胸郭への固定、上方回旋、外転。

肩甲骨を外転する唯一の筋で、長胸神経は前鋸筋しか支配しない。

どちらかというと味方より敵(拮抗筋)が多い。

機能的には僧帽筋との関係が強い。

肩甲挙筋や菱形筋とは筋連結があり密接な関係だが、上方回旋や外転に対しては拮抗作用となり、お互いの柔軟性や筋力のバランスが重要となる。

外腹斜筋とは筋束が楔状につながっており、体幹の力(特に対側回旋)を肩甲帯から上肢に伝えるために役立つのだと思われる。

前鋸筋の機能低下では、上方回旋の不足によるインピンジメント、上肢の支持性の低下による肩や頚部痛が生じる。

外側上顆炎などでも肩の挙上位から戻す時に、下方回旋が急激に生じ前鋸筋の機能不全が疑われるものがある。

部位や機能を意識させるのが難しく、機能回復に手こずる印象がある。
桃井政希のブログ