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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

「キセノン光の星状神経節近傍照射に伴う四肢末梢循環動態変化に関する検討」

PI2-452「キセノン光の星状神経節近傍照射に伴う四肢末梢循環動態変化に関する検討」吉田 英樹、 第46回日本理学療法学術大会、2011年

<対象>
・健常例60例(女性23例、男性37例、年齢23.5歳)

<方法>
・ 15分間の安静仰臥位保持終了後、
→実験1:同一肢位のまま両側の星状神経節近傍へのキセノン光照射10分。
→実験2:キセノン光照射を伴わない安静仰臥位保持10分。
・自律神経活動動態の指標としては心拍変動デー タを採用し周波数解析。
・副交感神経活動の指標である高周波成分(HF)、交感神経活動の指標である低周波成分(LF)とHFの比(LF/HF)を求めた。

<結果>
1)HF
・実験1:安静仰臥位保持終了後と比較してキセノン光照射終了時で有意に増加。
・実験2:変化なし
2) LF/HF
・実験1:安静仰臥位保持終了後と比較してキセノン光照射終了時で有意に増加。
・実験2:変化なし
3)上下肢皮膚温
・実験1:概ね一定。
・実験2:有意な低下。

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キセノン光により交感神経活動の抑制と副交感神経の相対的な亢進を示しているようです。

上下肢の皮膚温は、交感神経活動の抑制により末梢血管が拡張されたため一定に保たれたと考察されています。
眠くなると手足が暖かくなるのもこの作用で、末梢血管の拡張により熱を放散し、体温を低下させます。

手足が冷える、寝付きが悪いなんて方は交感神経活動が過剰になっていて、常に戦いモードに入っているかもしれません。

近赤外線では、健常者には変化を及ぼさず、交感神経の過緊張を正常化する効果があるという報告がありましたが、キセノン光では健常者でも変化が見られるようです。