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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

「股関節伸展運動時の筋活動バランスは骨盤傾斜や体幹筋活動に影響を与える」

OF2-020「股関節伸展運動時の筋活動バランスは骨盤傾斜や体幹筋活動に影響を与える」建内 宏重、第46回日本理学療法学術大会、2011年


<対象>
・健常若年成人16名(男性9名、女性7名 ;年齢24.3歳)

<測定課題>
・ベッド上腹臥位での右股関節伸展運動(屈曲30度から伸展10度まで)。

<結果>
1)右大殿筋
・筋活動量が高いと反対側の脊柱起立筋の筋活動量が高くなる傾向。
・骨盤傾斜との関連はない。

2)右側半腱様筋
・大殿筋に対して、半腱様筋の活動が高いと同側の脊柱起立筋筋活動量が高くなる傾向。

3)右大腿筋膜張筋
・筋活動量は最大筋活動量の5%以上。
・大殿筋と半腱様筋に対して大腿筋膜張筋の活動が高いと骨盤の前傾角度が増加する傾向。

4)右内腹斜筋-腹横筋混合部
・筋活動量が増加する傾向だが、最大筋活動量の5%未満。

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通常、大殿筋の収縮は胸腰筋膜を介して反対側広背筋に伝わり、仙腸関節の安定化などをもたらすとされています(アウターユニット:後斜系)。

なので、<結果>1)での、右大殿筋の活動に伴い反対側の脊柱起立筋の活動が高まっているのは、大殿筋-反対側広背筋と類似した、理想的な反応だといえます。

これに対して、悪いパターンとしては、大殿筋の収縮に伴い、同側の広背筋や大腿筋膜張筋、ハムストリングスが過剰に働いてしまいます。

<結果>2)では、大殿筋より半腱膜様筋が優位だと、同側の脊柱起立筋の活動が高くなっおり、悪いパターンと類似した反応になっています。

大殿筋より半腱様筋が優位に活動してしまうと、足部が接地している状態では膝からの動き出しが生じたり、足部が接地していない状態では膝を過剰に固定する傾向になるため、膝周囲の障害が生じやすいように思われます。

正常なパターンにするには、大腿筋膜張筋や半腱様筋を抑制しつつ、反対側の広背筋や脊柱起立筋を利用しながら大殿筋の活動を高めていくとよさそうでが・・・

半腱様筋や大腿筋膜張筋の過活動は、股関節深部筋や体幹機能の低下に起因していたりすることもあり、よいパターンを学習させるのに苦労させられます。