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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

「腰痛の有無にて比較した腹横筋と胸腰筋膜の関連性」

OF2-028「腰痛の有無にて比較した腹横筋と胸腰筋膜の関連性」村上 幸士、 第46回日本理学療法学術大会、2011年

<対象>
・男性51名(22.9±4.0歳)。
・A群20名:腰痛にて受診経験のある群
・B群17名:ときどき腰痛を認めるが受診経験のない群
・C群14名:腰痛を経験したことのない群

<腹横筋の筋厚の変化量>
・有意差なし。

<腹横筋先端の移動距離の変化量:A群/B群/C群>
1)左側:2.0±1.6mm/5.1±2.3mm/5.1±1.7mm
2)右側:2.5±2.3mm/5.2±2.2mm/6.0±1.9mm
・両側ともにA群は有意に低値を示した。

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腰痛群では、腹横筋の収縮はあるが、滑走性が低下しているようです。

・腰痛症患者においては、腹横筋の収縮不全、収縮遅延が認められる(Hodges、 Richardoson)。
とありますが、多裂筋に比べて報告も少なく、機能低下は軽微なのかもしれません。

腰痛後の、腹横筋の機能を引き出す上では胸腰筋膜を含めた動きを良くし、環境面を整える事も大切な要素となりそうです。