popliteus mのブログ

整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.膝窩筋3) 脛骨内旋機能

2)脛骨内旋

脛骨内旋の作用に関しては、
①脛骨を内旋する作用
②脛骨の外旋を制動する作用
のふたつが考えられます。

<①脛骨を内旋する作用>

主に膝伸展位(脛骨外旋位)からの屈曲初期に作用するとされています。

したがって、歩行時の立脚初期や立脚後期の膝が屈曲してくる時に活動が高まります(大西-1999)。

単関節筋では唯一の内旋筋で、股関節の肢位にも左右されない所が重要かもしれません。


<②脛骨の外旋を制動する作用>
 
脛骨外旋の制動は、筋の運動力源的な働きでなく、靭帯のような機能的制動組織の役割(国中-2007)になります。

腓骨頭に付着する線維は、popliteofibular 靭帯に相当(Aporn-2012)し、腓骨を介して脛骨外旋を制限します。

他の外旋制動する筋(内旋筋)はいずれも膝屈筋なので、膝伸展域での脛骨外旋の制動に対しては膝窩筋の負担が大きくなると考えられます。

立位での回旋やknee-inを伴うスイングなどの運動では負担がかかりそうです。

また荷重位では、
骨盤後傾位→大腿骨外旋(脛骨内旋)→膝伸展するには下腿を強引に外旋→下腿が外側が倒れる(石井-2012)
という運動が生じるため、不良姿勢による歩行の繰り返しが膝窩筋にダメージを与えることも考えられます。