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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.膝窩筋4) 外側半月板の付着

<外側半月板の付着>

膝窩筋には、膝屈曲時に外側半月板を後方に引き、挟み込みを防ぐ機能があるとされます。

しかし、外側半月板の付着に関しては、
・55%で付着(薄く付着37.5%、強く付着17.5%)(Alfred-1989)。
・95%で付着(Feipel-2003)。
・直接強く牽引するような起始腱はみあたらない (2006-河上) 。
・63%で付着(弱く付着35.6%、しっかり付着27.4%)(Aporn-2012)。

このように100%で付着している訳ではないとなると、
外側半月板を後方に引くという機能は、それほど重要ではないということになります。

これを解決してくれそうなのが、
「外側半月に付着が無い、または脆弱なパターンは高齢者に多い傾向で、廃用や怪我、膝の異常運動や可動域制限が要因かもしれない(Aporn-2012)」

これならスッキリします。
本来は付着していたものが、繰り返しの外旋ストレスなどにより断裂、脆弱化してしまったということです。

そうなると、
膝窩筋機能低下→外側半月後方引き込み低下→半月板損傷などの関係も考えられます。

また、屈曲時の半月板後方引き込みということですが、
膝窩筋の屈曲-伸展の機能が不確かということになると、
膝屈曲に伴う下腿内旋時に外側半月板を後方に引き込むという表現のほうが適切かもしれません。
そして、半月板を後方に引き込むだけでなく、外旋させている可能性も考えられます。