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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.オーバーヘッドスポーツにおける2nd内旋の制限

高浜照:肩関節疾患に対する理学療法理学療法学、2012.

<オーバーヘッドスポーツにおける2nd内旋の制限>
・野球選手では、投球側では2nd外旋拡大、2nd内旋制限が生じ、回旋可動域が外旋方向に移動したと理解されている。
しかし、
・2nd外旋の可動域は肩甲骨を固定して測定すると投球側、非投球側差がない。
 →肩甲上腕関節以外の動きが外旋を拡大している。
・2nd内旋は肩甲骨の固定の有無にかかわらず、投球側で減少している。
 →肩甲上腕関節で制限されている(小円筋のスパズム)。

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プロ野球選手を対象とした報告では、
・2nd外旋の増大と内旋の減少(Bigliani-1997)が認められるが、
・2nd回旋のtotal ROMに有意差はない(Borsa-2005)とされています。

この要因が、
・肩甲上腕関節以外での外旋の拡大
・小円筋のスパズムによる内旋の減少
ということのようです。

・2nd回旋角度の合計が180度以下であると障害が起こり易い(Burkhart-2000)ので、可動域を確保することが必要かも知れません。

・外旋に対しては、肩甲上腕関節以外の動きが重要。
・前胸部の柔軟性(小胸筋の伸張性、胸鎖関節・胸郭の可動性)が競技復帰程度と関係があるという報告もあるので、このへんが大事かも知れません。

・内旋に関しては、小円筋のスパズム除去が有効のようです。

今回の内容は、10月5日(金)、6日(土)に鹿児島で開催される第47回理学療法士協会、全国学術研修大会の中でセミナーがあります。

<水平内転時の詰まり感と痛みの改善の方法>
<挙上時にスリッピングのある動揺性肩関節症に対するテーピング>
などの内容もあるようです。

行きたかったな・・・。