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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.膝窩筋5)他筋との連結

4)他筋との連結

膝窩筋は以下の筋と連結があるようです。
足関節底屈筋では、長趾屈筋、後脛骨筋、ヒラメ筋、足底筋。
膝関節屈曲筋では、大腿二頭筋短頭、半膜様筋、足底筋。

また、Anatomy Trainsでは、
近位では関節包を介して大内転筋。
遠位では長趾屈筋を介して後脛骨筋、長母趾屈筋と連結しているとされています。

なんとなく膝関節屈曲を伴わない足関節底屈筋との関係が深そうです。

では、足関節底屈による力を膝窩筋はどの運動につなげているのか?

歩行で考えてみると、
立脚初期は足関節が背屈し、 膝関節では伸展が生じるため、脛骨は外旋する。
足関節底屈筋では遠心性収縮が生じる事で、連結のある膝窩筋の緊張は高まる。
これにより、靭帯様の役割が働き過外旋を防ぐことが考えられる。

立脚初期の膝伸展時の下腿外旋を制御するために働いていると考えると、膝窩筋は屈筋-内旋筋であるほうが機能的には効率的のように考えられます。

ただ、膝屈筋でもある腓腹筋との連結もないし、屈伸にはあまり影響されずに下腿外旋を受動的に制動したいのかもしれません。

下腿の内旋の機能に関しては、脛骨の回旋が脛骨、大腿骨、半月板の形状や靭帯の機能に依存しているのであまり能動的に働くようなイメージが出てこない。

そうすると、膝窩筋は下腿外旋を制動するための靭帯様の筋肉という変わったポジションになるなかな・・・。
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