.脊椎圧迫骨折後偽関節に対する Balloon Kyphoplasty の術後治療成績の比較

0269「脊椎圧迫骨折後偽関節に対する Balloon Kyphoplasty の術後治療成績の比較」
山内 正樹： 第47回日本理学療法学術大会、理学療法学39（１）、2012

＜対象＞
・脊椎圧迫骨折後偽関節者14名。
１）BKP群（Balloon kyphoplsty）：5名(80±6.67歳、男性2名・女性3名：2011年2月以降)。
２）固定術群：9名(76.4±8.25歳、男性5名・女性4名、2011年1月以前)

＜結果：BKP／固定術＞
１）術後リハビリ開始までの期間：5.6±2.97日／5.0±1.3日：有意差なし。
２）入院期間：16.6±4.04日／40±13.77日：有意差あり(p= 0.0007)。
３）JOA（腰痛疾患治療成績判定基準）
・リハビリ開始時：22.4±5.13点／9.4±6.02点：有意差あり(p= 0.002)。
・リハビリ終了時：24.6±3.78点／19.6±3.0点：有意差あり(p= 0.02)
４）FIM（機能的自立度評価表）
・リハビリ開始時：118.8±6.34点／98.3±16.5点：有意差あり(p=0.022)。
・リハビリ終了時：123.6±2.79点／118.4±8.2点：有意差あり(p= 0.2)。

※BKP
・脊椎圧迫骨折後の偽関節に対し椎体内にバルーンを挿入し椎体内を押し広げ空洞を形成した後、骨セメントを注入する術式。
・術後の疼痛が少なく早期からのリハビリが可能。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～
固定術に比べて、入院期間や機能的な問題が著明に改善されています。

つぶれた椎体をある程度復元するので、椎体の変形より生じる二次的な問題（不良姿勢やそれに伴う腰背部痛など）も解消されそうです。

しかし、まだ手術できる病院は少ないようです。