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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.多裂筋選択的トレーニングの筋電図学的分析

0270「多裂筋選択的トレーニングの筋電図学的分析 ─四つ這い位での上下肢挙上における肢位の変化と重錘負荷による影響─」
正木 光裕: 第47回日本理学療法学術大会、理学療法学39(1)、2012

<対象>
・健常若年男性13名(年齢22.4±1.3歳)。

<方法>
・測定筋:左側の多裂筋、脊柱起立筋
・測定課題:四つ這い位で右上肢と左下肢が水平になるまで挙上する運動。
・測定条件
①右肩関節180°屈曲・左股関節 0°伸展位
 a)右手関節部に体重の2.5%重錘負荷
 b)左足関節部に体重の 5% 重錘負荷
 c)右手関節部に体重の2.5%・左足関節部に5%重錘負荷
②右肩関節 90°外転・左股関節 0°伸展位
③右肩関節180°屈曲・左股関節45°外転位
④右肩関節 90°外転・左股関節45°外転位

<結果>
1)多裂筋
・③>①、②
・④>①、②
2)脊柱起立筋
・各方法で有意差なし
3)多裂筋 / 脊柱起立筋比
・④>①

<①で重錘負荷した条件間>
1)多裂筋
・b)>①
・c)>①、a)、b)
2)脊柱起立筋
・b)>①
・c)>①、a)
3)多裂筋/脊柱起立筋比
・①>c)

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四つ這いで右上肢挙上、左下肢伸展するエクササイズをする際、
上下肢とも外転させたほうが、左脊柱起立筋よりも左多裂筋の筋活動が高まる割合が高いようです。

普段、何気なく行っているエクササイズでも、もう少し踏み込んで考えることでより効果的な方法が見つけられることを示しています。

漫然と行わず、もっといい方法はないかと探求し続けることが大切だと、あらためて考えさせられました。