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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

排便時の骨盤傾斜

0392「排便時の骨盤傾斜に関する研究 ─排便時の骨盤を運動学的に捉えると─」
槌野 正裕:第47回日本理学療法学術大会、理学療法学39(1)、2012

<対象>
・排便困難が主訴としてある10例(男性7例、女性3例、61.9±18.9歳)。

<方法>
・排便造影検査(defecography):疑似便(1回量225g)を直腸内に注入し、安静時(rest)、肛門収縮時(squeeze)、排出時(strain)の3動態。
・strainの際に伸展座位と前屈座位で排出。

<結果>
1)骨盤形態角:仙骨上縁に対する垂直線-大腿骨頭から仙骨上縁の中点を結んだ線の角度
・伸展座位:69.8°±12.9°
・前屈座位:67.5°±12.0° 
・有意差なし。
※姿勢などに左右されず、個人の中では常に一定の角度を呈するとされる。

2)骨盤回旋角度:仙骨上縁の中点-股関節骨頭中心を結んだ垂線との角度
・伸展座位:40.1°±12.5°
・前屈座位:11.2°±11.2°(有意に減少)
※前屈位では骨盤後傾位に変化。

3)仙骨回旋角:水平面に対する仙骨上縁の傾き
・伸展座位:1.9°±18.2°
・前屈座位:56.7°±15.5°(有意に増大)
※前屈位では仙骨のうなずき方向に変化。

4)直腸肛門角
・ 骨盤回旋角度と相関あり

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スムーズな排便を生じるには、前屈位にして直腸肛門角を鈍角にするよく、その際、骨盤は後傾位、仙骨ではうなずき運動が生じているようです。

たしかに、犬の大便の姿勢をみても骨盤をしっかり後傾させています。

前屈位を取った時に、骨盤の後傾がうまく出せるかがポイントのようです。