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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

脊柱屈曲姿勢の持続後における立位体幹前屈運動の運動学的分析

0452「脊柱屈曲姿勢の持続後における立位体幹前屈運動の運動学的分析」
鈴木 謙太郎:第47回日本理学療法学術大会、理学療法学39(1)、2012

<被験者>
・健常若年男性18人(年齢23.2±0.9歳)。

<方法>
・椅子上で円背指数20に設定した座位を10分間持続する前と後にて、立位体幹前屈運動を行った。

<結果>
1)有意差なし
・運動所要時間
・上半身重心座標の前後方向と鉛直方向の変化量。
・空間座標系に対する体幹前傾角度変化量と角速度。
2)座位持続後に有意に大きく変化
体幹/骨盤、Th12/骨盤角度変化量と角速度。
3)座位持続後に有意に小さく変化
・骨盤/大腿角度変化量と角速度。
・空間座標系に対する骨盤前傾角度変化量と角速度。

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背中を丸めて座っていた場合、
その後で立位体幹前屈運動を行うと、
骨盤の動きが少なく、
腰椎の動きが大きくなるようです。
背中が丸まっている座位では、
腰の部分は長時間ストレッチがかかっているような状態なので当然かも知れません。

これは立ち上がるときも同様のことが考えられ、
骨盤(股関節)の動きが少なく、
腰部の動きが大きくなる可能性があります。

長時間不良姿勢で座っていることで、
すでに椎間板や椎間関節にはストレスがかかっていることが考えられ、
さらに、骨盤(股関節)の動きが少ない状態で立ち上がると腰部に負担がかかるため、
腰痛を引き起こす要因になることが考えられます。

長時間不良姿勢で座らないこと。
長時間座っていた場合は、
動き出しは骨盤(股関節)から行う、
不意に動かないことなどが腰痛を防ぐ一つの手段となりそうです。