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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.痛みと情動の脳内機構とリハビリテーション1)

2月17日は、 【痛みと情動の脳内機構とリハビリテーション畿央大学教授、森岡周教授】に行ってきました。

<痛みの3要素>

痛みには、1)感覚-識別的側面、2)情動-意欲的側面、3)認知-評価的側面の3つの要素がある。

1)感覚-識別的側面
・痛みの感覚的、弁別的側面(どこに、どういう、どのくらい)。
・外側系の活性化が生じる。
・外側系:脊髄からの侵害情報→視床後腹側核→一次体性感覚野→二次体性感覚野→島→前帯状回前頭前野
・関連の深い脳領域:一次体性感覚野、二次体性感覚野、視床、島。

2)情動-意欲的側面
・痛みの情動的側面(不快、嫌、憎い・・)。
・痛みの程度が非常に強く、場所の同定が困難で、不快感を感じる。
・心臓機能が亢進したり、発汗が生じるなど自律神経反応を伴う。
・内側系の過活動。
・内側系:脊髄からの侵害情報→視床背内側核→前帯状回前頭前野
・関連の深い脳領域:視床、島、前帯状回扁桃体前頭前野

3)認知-評価的側面
・痛みの認知的側面(あの時の痛みは・・・だったから、今回も‥・)
・過去の痛みの経験や記憶、予測と今の痛みを比較照合し、痛みの意義を分析。
・内側系が関与。
・関連の深い脳領域:島、前帯状回前頭前野

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痛みのそれぞれの要素により、対応する脳領域が変わってきます。

そして、その脳領域の機能が低下していたり、過剰に反応してしまったりすると、
痛みが修飾されて強く感じることがあります。

痛みの要素、機能不全が生じている脳機能にアプローチすることで、痛みの改善が、より効率的、効果的に出来る可能性があります。