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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

痛みと情動の脳内機構とリハビリテーション2)

<情動-意欲的側面に関与する脳機能>

扁桃体
情動:
 ・情動体験の鍵となる。
 ・負の情動(不安等)の継続により、扁桃体の感受性が高ま
  る。
痛み:
 ・痛みと情動を結びつける役割がある。
 ・下肢への侵害刺激により興奮(Bemard-1990)。
 ・関節炎モデルラットでの扁桃体基底核外側の活動の増加
  (Neugebauer-2010)。
機能:
 ・不快や危険な情報を素早く検出し、刺激により不安や恐怖の
  状態を引き起こす。
 ・負の記憶をその真偽に関わらず速やかに固定する。
 ・脳の各部に警戒信号を出し、発汗、心悸亢進、血圧上昇、
  アドレナリンの急激分泌が起きる。
機能不全:
 ・相手の表情から相手の感情を読み取ることが出来なくなる。
 ・言語や表情から情動を認識できなくなる。
ヒント:
 ・対人ネットワークが低下すると扁桃体の容積も低下する
  可能性(Bickart-2011)。

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扁桃体は、恐怖を含む情動反応に関連した、自律神経性、内分泌性、運動性の反応の統合をしているため、痛み刺激の繰り返しなどにより扁桃体の感受性が高まってしまうと、わずかな負の情動に対しても自律神経系、内分泌系、運動系の反応が生じてしまうことが考えられる。

適度な運動は、セロトニンを増加させ前頭前野の恐怖を抑える力を向上させ、扁桃体を落ち着かせる効果があるようです。