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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

第11回東京スポーツ整形外科研修会

昨日は、第11回東京スポーツ整形外科研修会でした。

プログラム1 「ラグビーにおける肩関節脱臼」

ラグビーでの肩関節脱臼では、再発を繰り返すことがほとんどなので基本的には手術適応となる。
手術法としては、解剖学的変化の少ないBankart法が勧められるが最脱臼率は10%程度、復帰も6~12ヶ月程度かかる。
烏口突起を移行するBristow法などは、最脱臼率は1%程度、復帰も3-6ヶ月と早いが解剖的変化が大きいため経年的な変化が危惧される。
また、タックルのスキルや最脱臼の恐怖感も最脱臼の要因となる。
術後の機能回復はもとより、タックル時のヘッドアップ、パワーポジション、脇を閉めるなどのスキル習得も最脱臼の予防としては重要となる。

プログラム2 「半月板損傷」

以前は半月板切除術が主流でしたが、経年的には変形性関節症などのリスクも高まるため、最近は縫合術が見直されている。
内側半月板損傷、外側半月板損傷に対する縫合術の良好な成績が報告されていました。
血流の乏しいホワイトゾーンの縫合にも、何か秘策があるようで今後の報告が待たれます。
しかし、縫合術となるとスポーツ復帰まで8-10ヶ月前後かかるので、プロスポーツ選手などではACL損傷などの合併が無い限りは切除術が第1選択なんでしょうね。

プログラム3 「テニス肘

関節外病変と関節内病変という分類が出てきています。
関節外病変としては、短橈側手根伸筋(ECRB)のenthesopathy(腱付着部症)が主であり、線維化や血管新生が生じている。
ECRBがテニス肘の要因となる解剖学的特徴としては、1)他の上腕骨外側上顆に付着する筋群に比べて腱成分が多い、2)上腕骨小頭の外側壁が接している、3)前方は薄い関節包の裏打ちしかないがあげられる。
関節内病変としては、滑膜ヒダ、滑膜炎、腕橈関節のOA変化などが考えられる。
保存療法に抵抗する関節内病変は手術適応になる。
手術所見では、滑膜ヒダの病的変化や滑膜炎の所見、回内時に滑膜ヒダが腕橈関節に入り込むなどが見られる。
いずれも、回内時に悪さをしていることが多いようです。


理解が不十分な所が多々あるので、それぞれの先生の文献読み直して理解を深めたいと思います。