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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.ダーツスロー・モーション面ROMとDASHスコアの関係

【粕淵賢志:橈骨遠位端骨折後症例のダーツスロー・モーション面ROMとDASHスコアの関係、理学療法学40(3)、2013】より

ダーツスロー・モーション(以下、DTM)は、ダーツを投げる動作に類似した、手関節の橈背屈-掌尺屈の運動で、ADLでよく使われる機能的な動きである。

従来、橈骨遠位端骨折後のADL能力には、握力との相関はあるが、ROMとの相関は認められていなかった。

しかし、今回の橈骨遠位端骨折後の18名の調査からは、ADLの指標であるDASHスコアとDTM面ROM、握力に相関が認められ、DTM面ROMの改善は重要であることが示唆された。

また、手関節背屈45°でのDTMは手根中央関節の単独運動となり、橈骨手根関節の運動はほとんどないことから、受傷後早期より橈骨遠位端骨折部にストレスをかけずに手根中央関節の可動性を維持できると考えられる。