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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.円回内筋:pronator teres

【円回内筋:pronator teres】

<解剖>
・上腕骨内側上顆(浅頭/上腕頭)、尺骨鉤状突起(深頭/尺骨頭)、付近の筋膜から起始し、橈骨中央外側に停止する。
・この浅頭と深頭の間を正中神経が通り、神経絞扼(円回内筋症候群)の要因ともなる。
・筋連結は、浅指屈筋、橈側手根屈筋、上腕二頭筋

<機能>
・主作用は、前腕回内。
・屈曲位で弱まり、速い回内運動の時に方形回内筋に協力して働くなどの特徴がある。
・肘屈曲にも作用するが弱い。
・外反負荷には、動的なstabilizerとして制動する。

<疾患>
1)回内筋症候群
・円回内筋の発達や収縮の繰り返しで神経の圧迫が起こる 。
2)上腕骨内側上顆炎
・関連筋は、円回内筋、橈側手根屈筋、長掌筋で、まれに尺側手根屈筋、浅指屈筋が含まれる。
3)投球障害
・加速期の過度の外反負荷で生じる内側型では、前腕屈筋群の中でも円回内筋の圧痛が最も強い。

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・解剖、機能面などから考えると、橈側手根屈筋との関連が深い。
・近位では上腕二頭筋と連結を持ち、肘屈曲は同作用だが、回内-回外は拮抗作用となる。
上腕二頭筋のtightnessがあると、円回内筋のストレスを高め、上腕骨内側上顆炎の要因のひとつになるかもしれない。


参考文献

 

 

 

・矢崎潔:手関節-前腕-肘関節を考える、メディリハセミナー、2011.

・河上敬介:円回内筋、長母指屈筋、方形回内筋、肘筋の位置や形、理学療法22(5)、2005.

・Ciccotti Michael G: Medial Epicondylitis、Techniques in Hand & Upper Extremity Surgery、2003.
・解剖学、2001.