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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

第20回千葉YTIC 「卒業試験」

5月16日は、最後のYTIC(ヨーガ療法士養成講座)でした。

卒論提出し、卒業試験(筆記3問、カウンセリング実技、疾患別実技)があり、とりあえず無事終了しました。
ヨーガ療法というのは、体位法(運動)、呼吸法、瞑想、カウンセリングをもちいます。
それらにより、クライアントの抱えている諸問題に気づきを与え、認知や行動の変容を促すといった、認知行動療法の一種といえます。
ヨーガ療法は、主に心身症を対象としていますが、その考え方は整形疾患や一般の人にも役立ちます。

特に整形疾患では、近年、症状が遷延化する場合、心理社会的因子の関与が考えられており、症状を増悪させていたり、症状の真の要因であったりする可能性があります。
この心理社会的危険因子は、ヨーガ療法の対象となる悩み、緊張、不安、抑うつ、認知の歪み、ストレス、不満、怒りなどが挙げられます。
心理社会的因子の関与が大きい場合は、身体機能は変化しているのに訴えや症状は変化しない、同じような症状なのに経過や結果が悪いなどが起こります。
しかし、そのような問題に当人が気づいていない、または覆い隠してしまっている場合があります。

じゃあ具体的に、心理社会的因子に対する評価や対応はどうするのかというと、明確な方法はよくわかりません。そのクライアントに適合した方法を探っていくしかないのかもしれません。そして、そのためには、セラピスト側の人間力を高める必要があると考えます。

人間力を高めるには、ヨーガでは8つの部門の修業が必要だとされます。
1)禁戒(自分以外のものとの関係):非暴力、正直、不盗、不淫、不貧
2)勧戒(個人的な心得):清浄、知足、苦行、聖典読誦、自在神への帰依
3)座法  
4)調気
5)制感(諸感覚器官がそれぞれの対象に結びつかない状態)
6)疑念(心を特定の場所に縛るつけること)
7)静慮(特定の場所に縛り付けられた想念がひとすじに伸びてゆくこと)
8)三昧(静慮が思考する客体ばかりになり、自体をなくしてしまったかのようになった時)

後半は正直、理解出来ませんが、前半はやや実行しやすいかもしれません。
非暴力、正直、不盗、不淫、不貧(むさぼらない)、清浄(心身を清潔に保つ)、知足(あるもので満足する)、苦行(努力)、聖典読誦(本を読む)、自在神への帰依(大きな存在に生かされているという思いを持つ)、座法(瞑想、体操)、調気(呼吸法)。
せっかくなのでヨーガの智慧を参考にしていきたいと思います。

もちろん、理学療法士の立場からは、いくら心理社会的因子があるといっても、解剖、運動、生理などの面から見落としていることは必ずあるので、粘り強くそれらを追求していくことも忘れてはいけません。