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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

腱板断裂

【腱板断裂】

肩の調子が悪くて、MRIをとったら腱板断裂の所見。
断裂!なんて聞くと、ちょっとびっくりして、それだけで痛くなり、動きがおかしくなってしまいそうですが、転倒して肩を打った、重いものを持った時に急激に痛くなったなどといった明確な受傷機転がなければ、少しずつ痛んできたものと考えられます。

腱板断裂があっても症状がない例もあり、必ずしも、断裂=痛み・動かない、といったことではないので、リハビリする上では、そのマインドを減らしておきたい所です。


問)切れた腱板はくっつくの?
答)くっつきません。

問)切れたままで腕が上がるの?痛みがなくなるの?
答)残っている腱板や他の場所(肩甲骨など)の動きや働きを良くすると腕が上がって来たり、痛みがなくなることもあります。

問)腱板が切れていて腕が落っこちないの?
答)大丈夫です。

断裂というイメージが強いと、なかなか納得してもらえるような説明が難しいなと感じています。

そこで、最近時々使っているのが、膝が抜けて来たジーパンの例え。
膝の薄くなってきて白くなって来たのが、不全断裂。
膝が抜けて見えてしまっているのが、完全断裂。
すしずつ擦れて来て、少し裂けているくらいでは、そんなに影響は大きくなさそうです。
しかし、断裂している部分に負担がかかると大きくなってしまう可能性があるので、負担をかけないことは必要。

自分的にはexcellentと思ったのですが、クライアントの反応はso so・・・。
日々、試行錯誤が大切です・・・。

ただ、加齢変性による腱板断裂の病態は、この膝抜けのようなメカニズムもありそうです。
側臥位の下や肘を机などについた姿勢が続けば、棘上筋、棘下筋は、しゃがんで床に着いたジーパンの膝のような擦れやすい状態になっていると考えられます。
さらに、肩甲帯の運動性や支持性が悪ければ、より上腕骨の突き上げが生じて肩峰下にある腱板には負担がかかりそうです。
変な格好で、TV見ていたりパソコンいじってたりしていて、動いた時に痛ててって、ことのある人は注意が必要です。