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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

頚椎症性神経根患者における頚部伸筋群の脂肪浸潤と平衡機能との関係

頚椎症性神経根患者における頚部伸筋群の脂肪浸潤と平衡機能との関係、光武翼、理学療法学41(2)、2014より

・頚椎症性神経根患者の頚部多裂筋は、障害側、非障害側に関わらず僧帽筋上部線維と比較して脂肪浸潤が認められた。
・頚部多裂筋の筋肉内脂肪浸潤は、障害側が非障害側より増加が認められた。
・頚部多裂筋の脂肪浸潤と年齢が、重心動揺検査の総軌跡長と有意な相関関係を認めた。

・頚部多裂筋や後頭下筋群や、筋紡錘の密度が高く、平衡機能に重要な役割を示し、これらの筋の脂肪浸潤は、平衡機能に影響を及ぼす可能性がある。


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・頚椎神経根症→頚部多裂筋の脂肪浸潤→頚部多裂筋の機能不全→頚部固有受容器の異常→前庭神経の影響→平行機能異常、眩暈といったことが考えられるようです。

・頚部疾患では、正中位が認識されていない場合があります。
・頚部の深層筋群の筋機能や固有受容器を改善し感覚と統合させ、正中位を再獲得させることが必要になる場合もありそうです。