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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

アイシングによる遅発性筋痛の軽減効果

【 0792: アイシングによる遅発性筋痛の軽減効果―無作為化比較対照試験による検討―、甲斐太陽、第49回日本理学療法学術大会(横浜)、2014.】


<対象>

・健常若年者29名(男14名、女15名、18.6±0.9歳)を介入群14名、対照群15 名に分類。


<方法>

・対象者の非利き手側の上腕二頭筋にダンベル(男性5kg、女性3kg)を用いた肘関節屈曲運動を動作が継続できなくなるまで実施。

・運動中止の判断は、肘関節屈曲角度が 90°未満なる施行が 2 回連続で生じた時点。

・3分間の休憩の後、再度同様の運動を実施し、この過程を3セット実施。

・介入群には軽度肘関節屈曲位で上腕二頭筋に氷嚢を用いてアイシングを20分間実施。

・対照群には介入群と同様の姿勢で20分間安静をとるよう指示。


<評価項目>

・MMT3レベル運動時の VAS、上腕二頭筋の圧痛


<結果>
1)VAS

・介入群において、疼痛が有意に抑制。

・群間の差が最も大きかったのはトレーニング三日後
 →介入群4.8±3.1cm、対照群 6.8±1.7cm。

2)圧痛

・有意ではないものの中程度の効果量がみられた。

・群間の差が最も大きかったのはトレーニング二日後
 →介入群 76±55N、対照群 39±28N。 


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遅発性筋痛(筋肉痛)が生じる可能性のある場合は、組織が炎症状態になっていることが考えられます。

したがって、アイシング(クーリング)して、炎症状態を沈静化させることで、痛みや疲労感が軽減します。

運動後やいつもよりも身体を使いすぎた時は、入浴したほうが楽なような気もしますが、シャワーだけにしたり、軽く冷浴した方が翌日は確実に楽な状態になれます。


土日連続で試合がある時などでは、土曜日に温浴した時と冷浴した時では、日曜日の身体の軽さがかなり変わります。

個人的には、氷を使う「アイシング」ではなくて、冷浴くらいの「クーリング」で、元に戻す感覚でいいのではないかと思っています。


温浴群を設定して、比べても面白そうです。