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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.投球障害肩4)


 

ざっくりまとめてしまうと、
Wind upでの不良姿勢やCokingまでの下肢から肩甲帯までの筋機能や柔軟性の低下により、Accelerationでの踏み出し(ステップ)脚への重心移動が不足するため、手の振り(肩内旋)に依存した投球フォーム(手投げ)になる。
過度の肩内旋は、肩後方組織の遠心性の刺激による微細損傷や防御的収縮によりtightnessを生じさせる。
肩後方組織のtightnessは、第一にLate cokingで上腕骨頭の動的なマルアライメントを生じさせ、関節不安定性を生じさせる。
第二に二次的に前方組織の弛緩を引き起こし同じく関節不安定性を生じさせる。
第三にFollow Throughで内旋を制限するため代償的または受動的にに肩甲骨前傾が生じ上腕二頭筋長頭腱の牽引が生じる。
これらは、SLAP、腱板損傷などの原因となる。
以上のことから、ステップ足への重心移動がスムーズに行えているかが、投球障害肩を予防する考え方の一つと言えるので、重心移動が行えていない要因(姿勢、下肢から肩甲帯の機能不全や柔軟性低下、スキル)を探っていく必要があるかもしれない。