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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.高校野球選手のための投球障害-発症予測システム

【0926: 高校野球選手のための投球障害-発症予測システム、~効率的なフィジカルチェックをめざして~、福岡進、第49回日本理学療法学術大会(横浜)、2014.】

 

<方法>
高校野球部員30名に対し無症候期にフィジカルチェックを実施。

・その後の半年間にどの選手が投球障害肩・肘を発症したかを1週間毎に前向きに調査。

 

<結果>
・調査期間中に33%(10/30例)の選手が投球障害肩・肘を発症。

・発症に有意に関連性のあった項目

 1)挙上位外旋角度、2)肩甲帯内転角度、3)踵殿部距離

 

 

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中学生の投球障害では、HBD、股関節内旋、フォワードベンドなど主に下肢の影響が大きいようでしたが、高校生では挙上位外旋角度、肩甲帯内転角度、踵殿部距離の関連が示唆され、肩甲帯から上肢の影響も出てきているようです。

 

挙上位外旋角度、肩甲帯内転角度の低下は、レイトコッキングで上腕二頭筋長頭腱の牽引ストレスを高めSLAPの要因にもなります。

 

投球動作の積み重ねによる、前胸部のtightnessや僧帽筋中下部、前鋸筋下部の機能低下が考えられます。

 

また、高校生レベルでは下肢機能に問題のあった選手はすでに淘汰されているのかもしれません。