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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.投球動作のワインドアップ期における動的アライメントと機能的要因との関係

【1001:投球動作のワインドアップ期における動的アライメントと機能的要因との関係、佐藤真樹、第49回日本理学療法学術大会(横浜)、2014.】

 

<対象>

・高校在学中に野球部に在籍した健常男子大学生20名。

 

<結果>

1)ワインドアップの骨盤後傾角度:10.9±8.6°

 

2)骨盤後傾角度と機能的要因との関係

①負の相関

 :体幹抗軸圧筋力

 :腹横筋変化率(非投球側)。

②相関なし

 :股関節可動域(屈曲、伸展、内転、外転、内旋、外旋)

 :下肢筋力(股屈曲・伸展・外転・内転、膝屈曲・伸展)

 :腹横筋・多裂筋の筋厚、変化率(非投球側の腹横筋以外)

 

体幹抗軸圧筋力:片側の肩甲帯に軸圧負荷を加えた際に体幹正中位を保持しうる等尺性筋力。

 

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投球障害の要因と一つとして、ワインドアップでの骨盤後傾位が過剰な水平伸展や肘下がりを引き起こすと考えられています。

 

この骨盤後傾位は、股関節の柔軟性低下や下肢の筋力低下などの要因が考えられていましたが、今回の報告では、体幹の抗軸圧機能が重要のようです。

 

ワインドアップを取った時に、頭方や胸郭から釣り上げられているようなイメージが必要かもしれません。