.腰椎椎間板ヘルニア(L4/5外側ヘルニア)①
【L4/5外側ヘルニア】
H26/12より左殿部痛、大腿外側の張り感が出現。痛み2/10。
H27/1より、左大腿内側から下腿前外側痛、大腿前面痛。階段6/10、歩行や座位5/10。
立位は、疼痛回避肢位で下位腰椎に対して脊柱は右側にシフト、右下腿前面しびれ+。
腰部の痛みは軽度で、疼痛回避肢位による筋疲労性のもの。
<画像所見>
XR)L4/5後方開大、degenerative lumbar scoliosis(腰椎変性側弯症)軽度
MRI)Lt L4/5disc protrusion(椎間板突出)、Lt L4/5 stenosis(狭窄)、Lt L4/5外側ヘルニア
<理学所見>
SLR(ー)、FNST+/++(ともに左側に)、Kempー/+
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「通常、L4/5椎間板ヘルニアではL5神経根が圧迫するが、椎間孔外に出た外側ヘルニアではL4神経根を圧迫が圧迫し大腿神経領域の痛みが生じる」
「ヘルニアが外側に行くほど下肢痛が増加(松井-2000)」
「椎間孔外ヘルニアは通常のヘルニアよりも疼痛が激烈であることが多い(森山-1990)」
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教科書とおりで、大腿神経領域の下肢痛がメインです。
通常、L4-5のヘルニアではL5神経根の症状が出るので坐骨神経領域の痛みやSLRが陽性になりますが、外側ヘルニアのためL4神経根の圧迫により大腿神経領域の痛みやFNSTが陽性になっています。
下肢痛が生じるのは、
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「神経根への物理的圧迫、炎症による化学的影響(Nygaad-1997)」
「炎症性サイトカインであるTNFやインターロイキンなどが強く関係(Olmarker-2008)」
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神経根の物理的圧迫、炎症にどう対応するか・・・。