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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.腰椎椎間板ヘルニア(L4/5外側ヘルニア)③

【L4/5外側ヘルニア③】

 

ヘルニアの自然消失を促すのに効果的なものはあるのか?

 

「サイトカインの作用で様々な酵素が誘導されてヘルニアを分解(Haro-2000)」

というのが一つのヒントになるかもしれません。

 

下肢痛自体が、

「炎症性サイトカイン(TNFやinterleukinなど)が強く関係(Olmarker-2008)」

しているのですが、分解にも関与しているということです。


そのサイトカインとは?

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<サイトカイン>

・外から菌や毒物が体内に入ってきた時にリンパ球が出す免疫物質、内臓脂肪が燃焼する時にも発生する。
 

・自己と外敵が区別出来ないため、自分自身も傷つける。
 

・坐骨神経部分損傷に対する早期の走運動は、抗炎症性サイトカインの産生などにより疼痛軽減や組織修復に貢献(田口-2014)。

 

1)TNF(Tumor Necrosis Factor:腫瘍壊死因子)

・感染防御や抗腫瘍作用に関与。

・過剰な発現は関節リウマチ、乾癬などの疾患の発症を招く。

・内臓脂肪の蓄積に伴い増加(2008-佐藤)。

・分泌亢進により機能的血管収縮を引き起こす。

・増加はインスリン抵抗性と高インスリン血症を引き起こし、末梢血管抵抗を増加させる(2008-佐藤)。

 

2)Interleukin(インターロイキン)

・白血球によって分泌され、細胞間コミュニケーションの機能を果たすものをいう。

・免疫系の機能は多くをインターロイキンに負っており、自己免疫疾患や免疫不全の多くの難病もインターロイキンに関係している。

 

3)interleukin-6:IL-6

・糖代謝、脂肪代謝の活性化、造血幹細胞の活性化、神経修復の活性化等を有する多機能サイトカイン(Pederson BK)。

・筋肉由来内分泌因子(マイオカイン)で筋肉の収縮により能動的に分泌。

・糖尿病患者では増加している(小川-2006)。

・分泌亢進は、運動によるインスリン感受性の改善に貢献。

・自転車エルゴメータ30分で有意な上昇(渡辺-2010)。

・暑熱環境下での運動は、血清IL-6が上昇(Jones DA)。

 

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サイトカインといってもかなりたくさんの種類や役割があります。

過剰な発現では各種の疾患に関与しているようですが、本来、身体を守ってくれるもので適度な運動による能動的な発現は、身体をよい方向に導いてくれそうです。

 

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まとめると、

ヘルニアの物理的圧迫による下肢痛に関しては、ヘルニアの自然消失による物理的圧迫が取れることを期待したい。

ヘルニアの自然消失にはサイトカインが関与し、疼痛軽減、組織修復にも期待できる。

サイトカインの発現には、軽い運動が有効と考えられる。

早期の軽い運動は、手術後の不良例の一つの要因としてあげられる神経根の癒着(Fahrni-1966)の予防にも有効であると考えられる。

 

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しかし、それほどすごい効果が出るのも期待できません。

 

腰の中におできがあって、それが神経を触って痛みがでている。

そのおできが小さくなってくれば痛みが改善してくる。

それには、じっとしているより、軽い運動をすると小さくなりやすい。

というような感じです。

 

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今回の症例のL4/5外側ヘルニア(自分ですが)では、股関節屈曲や屈筋の収縮に伴い痛みが増悪し、歩行でも痛みがあり階段はかなりきつい状態でしたので走運動、自転車ergoは不可能でした。

 

ですので痛いながらも日常活動の維持と歩行を心がけていました。