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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

ストレッチと電気刺激の併用は不動に続発する関節拘縮の改善を促進させるか?

金口瑛典、ストレッチと電気刺激の併用は不動に続発する関節拘縮の改善を促進させるか?、理学療法学42(2)、2015


<方法>

・ラットを以下に分類

1)対照群(n=5)

2)固定群(n=6)

3)固定後自然回復群(n=5)

4)固定後ストレッチ群(n=5)

5)固定後ストレッチ+電気刺激群(n=6)


・対照群以外には、膝関節140°屈曲位で3週間外固定し、屈曲拘縮を惹起。

・介入は30分/日、1週間。


<結果>

・関節固定により膝伸展可動域の減少、半腱様筋の短縮が生じた。

・固定群と比べ、ストレッチ群、ストレッチ+電気刺激群では有意な関節可動域の改善。

・関節可動域、筋長、筋萎縮関連遺伝子の発現は、自然回復群との差はなし。

・ストレッチやストレッチと電気刺激の併用による筋長、関節可動域の回復促進効果は認めなかった。

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関節拘縮に対するストレッチの効果としては、
・ヒトに対する効果は否定もしくは限定的(Katalinic-2010、森山-2011)

動物実験でも関節固定により生じた関節拘縮に対する効果の一貫した見解は得られていない(Okita-2001、Usuda-2007、渡邊-2009、Kondo-2012)

といった報告もあり、

固定後、通常の回復過程なら、特に何もしなくてもよさそう・・・

まぁ、臨床の印象と同じですが・・・

毎日リハビリ、電気なんてのは、お金と時間の無駄かもしれませんね。