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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.神経障害性疼痛に対する神経リハビリテーションの応用とそのメカニズム

昨日は、千葉県理学療法士会、生涯学習研究会でした。

テーマ:「神経障害性疼痛に対する神経リハビリテーションの応用とそのメカニズム」

講 師:住谷昌彦先生(東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部/麻酔科・痛みセンター部長)

 

切断肢の幻肢痛やCRPSでは、疼痛部位の体部位再現地図が縮小されている。

 

幻肢痛

・幻肢があっても、その幻肢を動かせる感覚があれば幻肢痛は発生しないことが多い。

→脳は幻肢も通常肢と同じという認識をしているので、幻肢があっても動かす感覚があれば異常にならないが、動かすという感覚がなければ異常と判断し、それは痛みとして表出されることが考えられる。

→体性感覚より視覚のほうが優位なため、鏡療法などで視覚による錯覚を使い、幻肢が動かせるという状況を作り出せると、痛みが軽減することがある。

 

<CRPS>

・身体イメージの低下、疼痛側半身の体性感覚の感覚が鈍い。

・患側に注意が向いている状態だが、自己の内的空間は反対側にずれている。

・明条件と暗条件では、明条件の運動のほうが不正確になる。

→視覚-体性感覚の統合異常、運動出力プログラムの問題?

※止まっているエスカレーターを歩く時の違和感のようなもの。

 

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幻肢痛に関しては、無いものとして再学習するのではなく、無いものを使えるようにしていくいうのは興味深いところです。

 

CRPSに関しては、これらの異常が何のトリガー(強い痛み?不動?不安?・・・)により誘発されるのかがわかってくると、予防が期待できるのではないかと思います。