.後頭下筋群:suboccipital
【後頭下筋群:suboccipital】
・上頭斜筋、下頭斜筋、大後頭直筋で後頭下で三角形を形成(後頭下三角)し、その中に小後頭直筋が入った構造で椎骨動脈と後頭下神経も観察出来る。
・環椎後頭関節や環軸関節で、伸展、側屈、回旋の作用を持つ。
・筋紡錘が高密度に存在しセンサーの役割が大きく、頭頸部の位置と動きを検出し、下位頸椎の運動に上位頚椎を対応させたり、眼球運動と頚部の運動を密接に関連させたりする。
・慢性頚部痛、外傷性頚椎疾患、むち打ち関連障害では、後頭下筋群に筋萎縮、脂肪浸潤が生じており、平行機能に障害をきたす場合がある。
・頭頚部前方突出の姿勢では、後頭下筋群の筋緊張亢進や短縮を招くき、トリガーポイントが形成されると、頭の後方から目や額にかけて、側面全体の内部に感じる痛みを引き起こす。
後頭下筋群では、膝疾患の内側広筋、腰部疾患の多裂筋と同様に、頚部疾患に伴い萎縮や機能低下が生じ、二次的な問題を引き起こすので、選択的な治療が必要になります。
姿勢により位置が大きく変わってしまうことや、解剖学的な問題(椎骨動脈や大後頭神経)、機能的な問題(平行機能や視覚など)から慎重に行う必要があります。
参考文献
・光武翼:頚椎症性神経根患者における頚部伸筋群の脂肪浸潤と平衡機能との関係、理学療法学41(2)、2014.
・上田泰久:大後頭神経の走行および圧迫-伸張部位について、第49回日本理学療法学術大会、2014
・飯田博己:腋窩神経障害-胸郭出口症候群に対する理学療法、MB Med Reha157、2013.
・上田泰久:姿勢・動作から展開する頚椎の評価と治療、夢創の會講習会、2012.
・吉年正人:頚椎の運動学、理学療法25(7)、2008.