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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

前期から進行期変形性股関節症患者における関節裂隙狭小化と歩行特性との関連性

【 O-0029:前期から進行期変形性股関節症患者における関節裂隙狭小化と歩行特性との関連性 ー股関節累積負荷に着目した解析ー、 建内宏重、第 50 回日本理学療法学術大会(東京)2015.


<対象>

・前期から進行期の変形性股関節症患者50名

・全例女性、年齢48.2±10.7歳、BMI22.3±4.0。


<方法>

・臥位レントゲン正面像から、最小関節裂隙幅、Sharp角、CE角を測定。

・歩行特性の評価:約7mの歩行路における自然歩行。


<結果:最小関節裂隙幅>

・3.5±1.3mm

・負の相関:年齢

・正の相関:歩数、歩行中の股関節可動域(屈伸)、股関節累積負荷(屈伸)。

・重回帰分析:年齢と股関節累積負荷(屈伸)が有意な変数。

※股関節累積負荷=一日に加わる外的負荷の総量(股関節モーメント積分値×患側下肢の1日平均歩数)


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変形性股関節症の進行リスクとしては、年齢と股関節にかかる負荷量が影響するようです。

歩きすぎや重荷を持っての作業、体重増加などは進行を早める可能性があります。

あまり使わないのも周囲の筋や軟骨などに悪影響を及ぼすので、適度に使うことが必要です。

股関節の屈曲制限などがなければ自転車漕ぎなどが無難かもしれません。

しかし、いつも不思議に思うのが、変形性股関節症の方は、変形性膝関節症の方に比べて比較的太っている人が少ないこと(今回もBMI22)。
何かありそうな気がするのですが。