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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

睡眠障害と身体活動の相乗作用が認知機能に与える影響

【O-0198:睡眠障害身体活動の相乗作用が認知機能に与える影響、中窪翔、第50回日本理学療法学術大会(東京)、2015.】


<対象>

・65歳以上の地域在住高齢者5696名(女性2973名、男性2723名、平均年齢75.1±5.1歳)。

・除外基準:アルツハイマー病、パーキンソン病の既往のある者、Mini-Mental State Examination(MMSE)18点未満の者。


<評価>

1)認知機能検査:National Center for Geriatrics and Gerontology-Functional Assessment Tool

2)全般的認知機能検査:MMSE

3)論理的記憶検査:物語の遅延再認

4)実行機能:改訂版 Trail making test part B(TMT-B)、Symbol digit substitution test(SDST)

5)睡眠:Pittsburgh Sleep Quality Index

睡眠障害:6点以上

6)身体活動:International Physical Activity Questionnaire

・中強度以上の身体活動あり:強い身体活動、中強度の身体活動のいずれかを行っている者。


<分類>

・Ⅰ群:睡眠障害なし、中強度以上の身体活動あり:2054名(36.1%)

・Ⅱ群:睡眠障害なし、中強度以上の身体活動なし:  951名(16.7%)

・Ⅲ群:睡眠障害あり、中強度以上の身体活動あり:1746名(30.7%)

・Ⅳ群:睡眠障害あり、中強度以上の身体活動なし: 945名(16.6%)


<結果>
・対象者特性、すべての認知機能検査結果:群要因は有意な関連性あり。

・すべての認知機能検査結果:Ⅳ群はⅠ群と比較して有意に低い点数。

・TMT-B、SDST、物語遅延再認:Ⅳ群はⅡ群、Ⅲ群と比較して有意に低い点数。


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5696名中

睡眠障害 なし

3005名(52%)

睡眠障害 あり

2691名(47%)

身体活動 中~高

3800名(66%)

2054名(36%) Ⅰ群

1746名(31%) Ⅲ群

身体活動 低

1896名(33%)

951名 (17%) Ⅱ群

945名 (17%) Ⅳ群

※認知機能検査  <Ⅰ群 

※TMT-Bなど <Ⅱ-Ⅲ群

 

睡眠障害があり、身体活動も低い群は、認知機能低い傾向があるようです。


認知症アルツハイマー病の危険因子として、運動不足、うつ病、喫煙、高血圧、肥満、低学歴、糖尿病などがあり、認知症アルツハイマー病は生活習慣病の一つといえます。


アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβは、起きている時に増加し、睡眠中に髄液と一緒に脳の外に排出されるため質の良い睡眠も重要になります。


・いいように考えれば、予防可能な側面もあるということです。

・つまんないですけど、適度な運動、正しい食事、規則正しい生活。


参考文献

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