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整形外科クリニック理学療法士のひとり言。読んだ本、理学療法、サッカー観戦などとりとめなく

.肩関節外転運動における肩峰骨頭間距離の観察

【O-0249:肩関節外転運動における肩峰骨頭間距離の観察、中村壮大、第50回日本理学療法学術大会(東京)、2015.】

 

<対象>

・若年男子21名42肩

・高齢者17名34肩。

 

<課題動作>

・肩関節外転動作

 

<測定角度>

・肩関節外転 0~80°までの角度で10°ごとに測定。

 

<結果:若年/高齢>

1)肩関節外転運動における肩峰最突出部の下方を上腕骨大結節が通過する角度

・30°:  0肩/  8肩

・40°:  6肩/20肩

・50°:12肩/  5肩

・60°:24肩/  1肩

2)肩峰骨頭間距離(AHD):肩峰の最突出部の骨硬化像から上腕骨大結節外側端までの最短距離。

・若年者:外転角度が増加するとともに緩やかに減少。

・高齢者:外転角度が増加するとともに急激に減少。 

 

 

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高齢者の肩峰下インピンジメント症候群では、

1)の外転の比較的初期から肩峰最突出部の下方を上腕骨大結節が通過すること

2)のAHDが急激に減少すること

が関与しているのかもしれません。

 

外転の比較的初期から通過することで、インピンジメントの部位や機械的刺激などに変化が生じるのか?

AHDが急激に減少する部位で痛みが生じるのか? その後に影響がでるのか?

 

 

・解剖所見による肩峰下での考えられる衝突部位
肩峰下インピンジメント